35mmフィルムが危ない!

 そのことは気付いていたし知っていた。フィルムの質感はもちろん好きで、フィルムをスクリーンで観るのは格別だ。ただ、映画はなくならないし、何をしていいかも分からなかった。

 今回、35mm存続運動のために署名活動をしようと思ったのは4月25日に配本作業を手伝った「映画芸術」最新号(5月1日発売)の「<映画俳優>という希望」でムラジュンさんこと俳優の村上淳さんが35mmフィルムの存続の危機のことを自発的に話していたからです。ムラジュンさんが映画館で観ることを優先する映画好きなのは知っていましたが、この言葉がこちらの背中を押してくれた。ムラジュンさんは友人なので電話で話しをして、35mm存続運動の署名活動をすることにしました。

 既にFilmexの35mmからデジタルへの転換のフォーラムもおこなわれ(そのフォーラムにはムラジュンさんも参加)、動きはありますが一般の映画ファンも参加できる形で何かできないかと思い、今までこちらが「ホットファズ」「ハングオーバー」などの公開署名活動をしてきたので署名活動をしようと思い至りました。一般の映画ファンが参加できるのが良いと思ったのは、ツイッターやブログなども良いですがまとまった形にすることで問題提議でき、35mmの危機及び存続のことを話せる場を気軽に設けたかったのもあります。

 次の記事にあるように海外の監督たちも懸念を示していて、クリストファー・ノーランが今年に入ってから「ダークナイト・ライジング」のフッテージ上映を映画監督を集めておこなったときに(そこにはこちらの友人のエドガー・ライト、ダンカン・ジョーンズを含む、イーライ・ロス、ブライアン・シンガー、マイケル・ベイ、ジョン・ファヴロー、スティーブン・ダルトリーなどがノーランの連絡で集まった)、3D及びデジタル撮影をしないフィルム主義者のノーランが「あなたたちをここに来てもらったのは、ある秘めた動機からなんだ」と35mmフィルム存続の嘆願をしたことも頭に残っていて何かできないかと思っていたからでもあります。

<Movie Studios Are Forcing Hollywood to Abandon 35mm Film. But the Consequences of Going Digital Are Vast, and Troubling>
http://www.laweekly.com/2012-04-12/film-tv/35-mm-film-digital-Hollywood/

 エドガー・ライトのツイートでニュービバリー(タランティーノが所有する映画館)が35mm存続の署名活動をしたのも思い出しました。こちらもツイッターやブログで次のように書きました。

<エドガーのツイートで知った35mmフィルム存続希望の署名サイト。目標10000なので是非署名を! RT @edgarwright Film fans. Sign this now. RT @newbeverlyjulia So close to 9000 signatures! Lets get this to the studios!>
http://www.thepetitionsite.com/1/fight-for-35mm/
http://d.hatena.ne.jp/HotFuzz/20120121

 次の世代にフィルム文化を残すためにも必要なことと思います。ヌーヴェルバーグの監督たちがシネマテーク・フランセーズからアンリ・ラングロワが解雇されそうになったときに(1968年2月、財務省の圧力の下、当時の文化相がシネマテークの運営経営方法の転換を要求したため)立ち上がりデモなどをしたようにアクションを起こすことは大事です。シネマテーク・フランセーズはフランス政府が大部分出資するパリにある私立文化施設で、結果、ラングロワはシネマテークのトップにもどることができました。まずはやってみることが大事です。

 具体的には次を目指します。

 ・1ヶ月に500名の署名を目標とする

 ・35mmフィルムの保存の法律化/フランスの法律にあるように法律に35mmフィルム作品の保存を明文化する(日本にはフィルムセンターがあるが税金で運営されて買い取る形)

 ・フィルムの上映会を行う。
 (参考/午前10時の映画祭がいったん終わるのも35mmフィルムからデジタルの移行)

・35mmに関するドキュメンタリー製作:日本の監督、撮影監督、照明、編集、メイクアップ、脚本家、俳優などスタッフ/キャストに撮影取材。また、日本だけでなく、アメリカ、イギリス、韓国、インド、オーストラリアなど海外の映画スタッフ/キャストに取材。
 作ったドキュメンタリーは上映活動及び後にネットでも観られるようにして、少しでも多くの人に観ていただいて、この35mmフィルム存続の話し合いのきっかけを与えていきます。

 これらのために海外も含む支援コメントを集め、文部科学省、さまざまな映像関連の協会、映画会社などにも働きかけていき、きちんと活動するためにスポンサーも募ろうと思います。

 ※この文章を書いている時にも、20世紀フォックスがアメリカでの35mmフィルムによる映画配給を2年以内に終了することが正式に発表された。

<CinemaCon 2012: Fox Will Stop U.S. 35mm Film Distribution Within Two Years>
http://www.hollywoodreporter.com/news/cinemacon-2012-fox-35mm-john-fithian-chris-dodd-distribution-digital-exhibition-315688
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